「第9回福岡県景観大会」

Posted by admin - 5月 8th, 2015 ↑ blog top

 

■ 今回の「第9回福岡県景観大会」における各賞の表彰式、実は人知れず大変感動しています。なぜなら、審査員のみなさまの”強い意思”が貫かれた結果であるということが、審査員の方々の短いコメントからでも充分に感じとることができた表彰式だったからです。

各賞の審査過程において激論が交わされ、大荒れ、大もめ、作品選考に難航した中で導き出された結果、”新しい意思”を貫き選定したようなのです。(*ただしこれは審査員の方々の殺気あふれる短い言葉の端々から私が推測したもので本当かどうかはわかりません)なぜそう思ったかといえば、そうでなければ私の作品が選ばれるわけがないからです(笑)(選外佳作作品をご覧になれば多くの方々が”そう”感じられるのは分かっております。)

■ 近代のはじめから昭和の終わり頃まで続いている世界を「α世界線」。1990年代中頃より可視化してきた世界を「β世界線」。虎視眈々と覇権を握ろうとしているグローバル化世界が「Γ世界線」。現在3つの世界線が入り混じり、激戦が交わされている・・・

「フラットで多様な価値が混在する底の抜けた世界」になってしまった今、世の中の各分野の「賞」すべてが昭和時代とは異なり、存在そのものが危ぶまれるほど意味が希薄なものになってしまいました。α世界線上に位置する昭和時代、輝かしい価値のあった「賞」ですが、今では、それ以上の価値は認められなくなり、単なる営業ツールの一つとしての意味しかない(時には「もない」)、などと揶揄されるほどになってしまいました。「フラットで多様な価値が混在する底の抜けた世界」=β世界線上に位置する今、はたして「賞」の意味とはなにか!身を持って危機感を感じておられる審査員のみなさまは、この問に正面から真剣に向き合い、”強い意思”をもってその答えを提示なさいました。

「第4回福岡県屋外広告景観賞」の講評において、議論に議論を重ねた結果「スターバックス太宰府店」と「むらた」は賞にならなかった旨の言説がありました。多くを語ってはいただけませんでしたが、言葉から発せられる殺気から、そこには”強い意志”があることが容易にわかります。これは昭和時代=α世界線上の価値基準では考えられないことです。文化はα世界線からβ世界線へ移行したのです。これからの標準となるβ世界線の世界観を未来に向けて作り上げてゆこうという”強い意思”が突き刺さる講評でした。(わたしはメッセージとしてそのように受け取りました。)

はたして、α、β、Γ、それぞれの世界観が入り混じった「フラットで多様な価値が混在する底の抜けた世界」を漂流していくなかで、どのような世界が待っているのでしょうか?そして、これから私達はどのような文化=世界観を作り上げていけばよいのでしょうか?

 

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こちらもご覧ください。

「リノベーションとなにか? : 2014」- 02
「リノベーションとなにか? : 2014」- 01
「DIY精神となにか? : 2014」- 01
昭和モダニズム”後”の世界

 

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