「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-03-上吊り引き戸検討-2

1月 12th, 2011

■ 病室のドアを上吊り引き戸に改修するため、ドア撤去後、試作品を取り付けてみました。


↑ 建具工事開始


↑ 工場で作製してきた上吊り引戸用、半自動金物を取り付け


↑ 上吊り用金物に建具を吊下げました。


↑ 半自動なので、開けるのは手動、閉まるのは自動です。
上吊金物のレールが傾いているので、扉の重力で自動的に閉まります。
扉を開ける時、勢いがついた扉が戸尻側で衝撃がかからないようにブレーキがかかります。
また、扉を閉める時、勢いがついた扉が戸先側で衝撃がつき大きな音や指詰めがないようにブレーキがかかります。


↑ 室内側は樹脂製の把手ですが、廊下側は、(前回のブログで書きましたように)引きこみ把手を戸先に取り付けています。


↑ 扉の有効開口幅をなるべく取りたいため、戸先に引きこみ引手を取り付け、扉を全開できるようにしています。
扉を全開したときに、指詰めしないようにこのような形状にしました。
 
>>完成までのストーリー
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上吊金物:半自動片引吊戸HCS-30N(DAIKEN)
把手
室内側:ケアハンドル(ユニオン)
廊下側:No.807カインド引手L=300(ベスト)
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>>11 – サイン完成
>>10 – 特別室リノベ04
>>09 – 特別室リノベ03
>>08 – 特別室リノベ02
>>07 – 特別室リノベ01
>>06 – サイン計画
>>05 – 照明計画
>>04 – 廊下壁塗装検討
>>03 – 上吊り引き戸検討-2
>>02 – 上吊り引き戸検討-1
>>01 – デザイン開始・概要

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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-02-上吊り引き戸検討-1

12月 22nd, 2010

■ リノベーション工事、第Ⅲ期となる今回は、次の場所をリノベーションします。

1,入院施設の病室の外開きドアを、上吊り引き戸に変更

2,2Fの廊下内装と照明の刷新

3,病室の特別室の刷新

■ 1,上吊り引き戸

○ 現況は、病室のドアが廊下側へ外開きとなっているため、次のような問題が出ています。
1,外開きドアのため、ドアの開閉時に廊下側へ飛び出してしまうため、廊下に誰かいないか注意が必要です。
2,開けっ放しの時に廊下にドアが飛び出しているため廊下の幅がその分狭くなるのと廊下を歩くときに邪魔になります。
3,ドアノブが握玉なので、ドアが開けにくい方々もいらっしゃいます。
4,ドアの有効開口幅が800mm以下なので、車椅子利用時に少し狭く感じます。


↑ 現況:廊下側へ外開き(ドアを取り外した後の有効開口幅は780mmです。)

○ 上吊り引き戸にリノベーションするに当たり、有効開口幅を少しでも広げるためドアの枠を撤去してみました。
撤去に当たり、試しにドアを一つ外してみたところ、有効開口幅が840mmになりました。
枠を取り外したところ60mm有効開口幅が広がりますので、枠も撤去することになりました。
取り外した後はモルタル補修し、塗装仕上げとします。


↑ 有効開口幅を少しでも広げるため、ドアの枠を撤去した状態。有効開口幅が60mm広がりました。

○ 上吊り引き戸把手

上吊り引き戸の把手は、病室側に長さ約450mmの把手を取り付け、廊下側には掘り込み引手を取り付けることにしました。
病室側の把手の選定にあたり、サンプルを4、5種類とりよせ検討しました。
選定基準は、触ったときに冷たくないもの、耐久性が高い物、デザインが扉に合う物、予算内におさまるものです。
結果的に下の写真の中央の把手になりました。


↑ 把手の選定

上吊り引き戸は病室側に取り付けます。そうすると、病室側には取っ手が取り付けられますが、廊下側に取り付けると、
把手が壁に当たってしまうため、有効開口幅が狭くなってしまいます。
そこで、廊下側には掘込の引手を取り付けることにしました。
掘込引手にすると、有効開口幅いっぱいに開けることができます。


↑ 掘込の引手の検討。実際にサンプルを作成していただきました。
写真上部の家具用把手に決めました。
これは150mmタイプですが、実際には300mmタイプを利用します。

掘込の引手の場合、引き戸を全開するときに、把手にかけた指が壁に挟まれることが危惧されます。
そこで、家具用の引手を引き戸の戸先に取り付けることにしました。
そうすると、普通に使用すれば全開したときに指を挟むことはありません。

○ 引き戸面材

引き戸面材はメラミン化粧板で作成することにしました。
多くのサンプルを取り寄せ、現況の室内素材や色と、これから塗装を仕直す廊下の色など、
いろいろシュミレーションした結果、写真右下の木目横柄に決定しました。


↑ 引き戸面材サンプル

これらの素材を利用し、試しに1つ作成することにしました・・・。次回へ続く。

>>03 – 上吊り引き戸検討-2
 
>>完成までのストーリー
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>>02 – 上吊り引き戸検討-1
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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-01

12月 15th, 2010

■ 2年前、築30年を超える病院施設 「あきよし医院」のリノベーションデザインをさせていただきました。

Ⅰ期、1F外来トイレと2F入院施設のトイレのリノベーション
Ⅱ期、1F外来エントランス、待合室のリノベーション

リノベーション全体を通しての目的は次のとおりです。

1,バリアフリー化
2,老朽化した設備の更新、変更
3,内装デザインの刷新

30年前の地域の病院や診療所は、その地域の命を守るという大きな責任を担う重要な施設でした。
その責任の大きさと重要性、それに答える先生方の気概などがモダニズムデザインと結びつき、重厚感のある建築デザインとなっている場合が多く見られます。

時は流れ社会も変化しています。社会全体がバリアフリー化、ユニバーサルデザイン化が進んでいます。病院はサービス業的な側面が大きくなり、患者さんにとって親しみや、居心地、快適性などが求められるようになってきました。
つまり、威厳あるデザインから、バリアフリー的アメニティーデザインへ変化したわけです。

■ 第Ⅲ期となる今回は、2Fの廊下内装と照明の刷新と、病室の外開きドアを上吊り引き戸に変更することです。


↑ 現況:病室のドアは廊下へ外開きとなっています。
機能的に問題がある外開きドアを、半自動の上吊り引き戸に変更します。


↑ 現況:中央部には外部光庭があり、優しい光が採り入れられています。
病院的=味気ない雰囲気となっている廊下内装をアメニティーに配慮した人のいる空間として刷新します。


↑ 現況:ちょっと広めの廊下にはソファーが置かれて休憩場所や談話の場所として機能しています。
時として退屈な病室の中で、気分が少しでもリフレッシュできるような空間になるようにしたいと思います。
 
>>完成までのストーリー
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場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
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