12月 10th, 2012
・概要
この、今では古民家の木造2階建て住宅が建てられたのは、昭和40から50年代くらいだろうか?(それとも、戦後まもない時期なのか?)外壁が下見板張り+押縁、瓦屋根の日本の標準的、典型的な住宅。
・外回り
外壁の一部が真新しい無塗装の杉板にとって変わっているのだが、黒光りする元の外壁とあまりにも色が違うので、つぎはぎ補修というのがはっきり認識できる状態。瓦屋根も補修されているようで、まだ新しい。軒天や板張り以外の外壁部分を見ると外回りはきちっと補修されている。
・変様体
そして、この古民家がスナックへ変様。
正面、強烈に迫ってくる看板「ARIGATO」! ペンキで塗られた文字が年月を経て、かすれて良い感じになっている。これはたぶん窓があったところに窓を覆いかぶせるように取り付けたのだろう。同行した方が、港に着いた外人さんたち目当ての店名ではないか?とおっしゃっていました。(たしかに、真相はいかに)これを見ると室内がどうなっているのか見たくなるところ。
1F左側、シャッターが閉まっている上に「ARIGATO」の小看板。もしかすると、シャッターを開けると階段になっており、2Fがお店になっているのかもしれない。(それとも、1Fをスナック「ふみ」と分け合っているのか?)
・生き残る建物
木造2階建ての古い建物を、自分のお店の商売繁盛のために、いきあたりばったり的に改造し、なんとか利用している風景は、日常どこにでもある標準的な風景となっている。ガチャガチャな街並みの多くはこれが原因となっている。今考えれば均整のとれた調和ある町並みだったのが、昭和モダン的看板文化が入ってきて、個人商店がなんやかんやファサードを自分勝手にいじりだした結果である。
街並み景観を考えると果たしてこれがアリなのか、ナシなのか、意見は別れるところであるが、人口減少の今となっては、空き家となるよりはどんな状態であろうとも、建物を使い続けるほうが良いように思う。建物本体がしっかりしていれば、また別の用途にも活用できる日が来るかもしれない。また、このように、ノイズを発する付属物も、ワンダー的視点で見れば、味のある風景として鑑賞することも可能だ。
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長崎県松浦市-04:昭和モダニズムRC集合住宅-再生A
長崎県松浦市-03:昭和モダニズムRC集合住宅
長崎県松浦市-02:「ARIGATO」
長崎県松浦市-01:「西肥バス・松浦ターミナル」
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タグ: スナック, 古民家, 木造, 松浦市
12月 4th, 2012
いい具合に熟成されています。かつて開放的なガラス張りのサッシがついていた1Fバス待合室が今はラワンベニヤで無造作に塞がれています。かつてこの待合室からバスに乗ってお出かけしたことを覚えている方々にとっては寂しい風景なことでしょう。なぜか荒々しい当時のRCビルにはこの無造作なラワンベニヤが似合います。
熟成された「昭和モダニズム建築」の見所
1,RC造(鉄筋コンクリート造)+骨太な構造
2,モルタル+汚れ、劣化、軒先破損
3,スチール手摺+サビ
4,蛍光灯(外部用)+サビ、取り外し跡
5,看板(照明付きサイン)+看板取り外し跡
6,ラワンベニヤ(出入り口封鎖)
7,電線
バスターミナルビルは独特な雰囲気があります。かつて、まだ、自家用車があまり普及していなかった頃、バスターミナルは地方交通の拠点として、多くの人々が利用していました。自家用車の普及により需要が減少し、今ではこのような姿のバスターミナルを多々みることができます。地方のバスターミナルは時代表現の象徴的建物の一つともいえそうです。各地方都市には、建て替えることは拒否されているが、取り壊しもできない、取り残された多くの熟成したした昭和モダニズム的バスターミナルが、残存しているようです。
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「西肥バス・松浦ターミナル」「松浦バスセンター」 → ウィキペディア「松浦バスセンター」
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長崎県松浦市-04:昭和モダニズムRC集合住宅-再生A
長崎県松浦市-03:昭和モダニズムRC集合住宅
長崎県松浦市-02:「ARIGATO」
長崎県松浦市-01:「西肥バス・松浦ターミナル」
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タグ: RC, バスターミナル, 昭和モダニズム, 松浦市, 西肥バス
7月 6th, 2011
■ 九州大学箱崎キャンパスを探検してきました。
←表現主義・セセッション時代を思わせる建築様式
←タイルはなんと手作りのようなテクスチャー
←壊れた部分が建物・素材・施工方法の謎を解き明かす
←室内はリノベーションしている
←露出した配管が建物に生命感を醸し出す
←洗練された建築デザイン、貴重な建物
←絵画のような洋館
■航空工学建築群へ
←ゲッチンゲン風洞実験室・・・中を覗いてみたい
↑ コの字型プラン
戦時中、黒く塗られた外壁がところどころ残っている・・・建物を覆ってゆくツタ
←「駐停車禁止」の墓場
←レンガ造りの貴重な建物、屋根は瓦
←ダクト、建物から這い出しているようだ
↑ これもセセッション風、時間の経過とともに趣が出てくる
これは近代・現代建築とは根本的に異なるところ
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4月 25th, 2011
■ 4月23日(土)、24日(日)、ASJ 博多スタジオ 第4回建築家展に参加させていただきました。
会場は、福岡国際会議場4階の中会議室です。
↑ 海岸側のロビー吹抜 - 彫刻のような窓でした
↑ 福岡国際会議場外観
↑ 大博通り - 博多駅前から真っ直ぐ伸びた大通り
写真の奥に今年完成した博多駅があります
2日間に渡り開催された建築展でしたが、ご来場のお客さん、建築家のみなさんやスタッフのかたと
交流できました。
チラシを見て来ていただいた旧知の方に数年ぶりにお会いできたり、
行きつけの飲み屋で知り合った方が遊びに来ていただいたりと
楽しい2日間でした。
アーキテクツ・スタジオ・ジャパン株式会社:http://www.asj-net.com/
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1月 7th, 2011
■ 先日「スカイツリー」を見学しました。
↑ 浅草駅を出たところ、見学者が大勢いました。
この辺は、人力車が多数待機し、風情ある情景を演出していました。
町中には人力車が駆け回っていました。
←「業平橋駅」を出たところ
←大勢の方々が見学していました
←上部は工事中
←現在のタワーの高さ539m
↑ 下が三角形、上が円形なので、ふくらみ(エンタシス)のようなけいじょうになっています
↑ 夕景、見学スペースより 隣接した建物が以外とでかい
↑ その後、浅草寺へ
↑ 多くの参拝客がいました
商店街のシャッターにはイラストが描かれ、店じまいの後も居心地の良い「路地」になっていました。すばらしい。
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9月 6th, 2010
■ 久留米にある 「石橋文化センター」 へ行ってきました。
西鉄久留米駅から歩いて数十分、広大な敷地に、庭園と建築が調和した素晴らしい文化センターがありました。
1956年、今から54年前、戦後間もない頃に完成し寄贈されたようです。
庭園は、くまなく、ていねいに整備されており、気品ある都市公園として、市民に親しまれていました。
「石橋文化センター 久留米市に寄贈」「1956」・・・「世の人の楽しみを幸福のために」 石橋正二郎
石橋美術館
道路側の洋風庭園に対し、奥は和風庭園となっていました。
和風庭園の奥へ進むと木造の瀟洒な建物がありました。
これは坂本繁二郎画伯の旧アトリエを移築したものでした。
自然光をふんだんに取り入れるために、吹き抜けのアトリエは、全面窓となっています。
良い建物です。出来れば中も見学できると良かったです。
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8月 30th, 2010
■唐津街道の前原宿を見学してきました。
「古民家蘇生工房」さんの古民家再生の事例をお聞きするために
ビルストック研究会の皆さんと糸島市前原中央にある「古材の森」
に行きました。講演が始まる前に古材の森内の喫茶店でお茶をして、
まち歩きをしました。
「古材の森」 古民家を再生して利用されています。
もとは旅館だったそうで、映画で見たことのあるような、見事な吹き抜けがありました。
1階は喫茶店になっており、和室の座敷にてゆったりとお茶を楽しむことができます。
ケヤキの大黒柱、マツの大梁、巾3尺もありそうな一枚ものの「ちょうながけ」仕上げの床板が
残っており、それぞれ見事に再生していました。
■前原宿
保存状態の一番よい建物「辰美商店」。これはいい!
明治から戦前期までの時代的雰囲気を彷彿とさせる瀟洒な建物。
病院として利用されています。
はたして、この建物はどういった歴史を歩んできたのでしょうか?
長田さんの看板を多く見かけました。
これも、まち歩きの一つの面白さです。
手描きの看板
夕日にそびえる鉄塔
■「古民家蘇生工房」さんの取り組みをお聞きして、思ったより予算をかけずに
再生できることがわかりました。
リノベーション同様、どの程度手をかけて再生するのかは大変幅が広く、一概に
坪単価でいってしまうことはできませんが、それぞれのレベルに合わせて古民家も
再生することができるとのことです。
古民家再生が一般的になる日も近いかもしれません。
■「古材の森」さんでは、古材や古建具を太宰府市のほうで販売しているとのことで、
機会がありましたら、そちらの方も見学したいと思っています。
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8月 5th, 2010
■ 「旧志免鉱業所竪坑櫓」見学-02 「大正町商店街」
時間が止まったような町、大正町商店街を目指して移動。
シャッター通りの路地を抜けていきます。古民家もところどころに残っていました。
ぜひ、このまま保存していって欲しい建物です。
アーケードをよく見てみると、なんと木製のトラス構造でした。初めて見た木造のアーケード・・・これは貴重です。
木の表面をみると、長い年月が経っているのが分かります。むき出しの鉄の部分は、塗装が剥げ、サビが出てきています。
これが時間を耐えて存在してきた「物質」の魅力です。サビや劣化が価値を下げることであると決め付けることはできません。
地元の方々にお聞きすると、炭鉱町の繁華街の中心として大変賑わっていたそうです。
左側に「ヒミツ基地732」発見。いったいなんなのでしょう・・・。
シャッターに貼ってあったポスターを見るとコメディーナイトの案内が・・・秘密基地732劇場でした。
けっこう新しめの看板が・・・「レディスショップ トムヤ」、なんかいい。
←星野くん
この映画のセットのような大正町商店街に若者たちと一緒に感激しながら練り歩きました。
現に昭和の時代そのままに保存されているこの大正町商店街で、炭鉱町舞台の映画「信さん」(平山秀幸監督、主演・小雪さん)のロケが2008年10月に行われました。地元のエキストラも出演されているそうです。
昔の長屋を彷彿とさせる裏路地。ここにも哀愁が漂っています。
■感性豊かな若者たちは、確実にこの雰囲気を敏感に感じ取り、受け止めていました。
表面的な日常と重なる無機質で形式的な現代の街並みの軽薄さに辟易している若者たちにとって、リアル感のある志免竪坑と大正町商店街とその界隈は、心ひかれる貴重な文化遺産となっています。
■「大正商店街」とその界隈には、映画のロケとしても利用出来るほどの完成度で昭和の雰囲気が保存されています。
これは、炭鉱竪坑と等しく貴重な遺産といえます。
この他に見られない魅力的な昭和の哀愁ただようこの街を、全体的に保存していくことを希望します。
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