長崎県松浦市-02:「ARIGATO」
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この、今では古民家の木造2階建て住宅が建てられたのは、昭和40から50年代くらいだろうか?(それとも、戦後まもない時期なのか?)外壁が下見板張り+押縁、瓦屋根の日本の標準的、典型的な住宅。
・外回り
外壁の一部が真新しい無塗装の杉板にとって変わっているのだが、黒光りする元の外壁とあまりにも色が違うので、つぎはぎ補修というのがはっきり認識できる状態。瓦屋根も補修されているようで、まだ新しい。軒天や板張り以外の外壁部分を見ると外回りはきちっと補修されている。
・変様体
そして、この古民家がスナックへ変様。
正面、強烈に迫ってくる看板「ARIGATO」! ペンキで塗られた文字が年月を経て、かすれて良い感じになっている。これはたぶん窓があったところに窓を覆いかぶせるように取り付けたのだろう。同行した方が、港に着いた外人さんたち目当ての店名ではないか?とおっしゃっていました。(たしかに、真相はいかに)これを見ると室内がどうなっているのか見たくなるところ。
1F左側、シャッターが閉まっている上に「ARIGATO」の小看板。もしかすると、シャッターを開けると階段になっており、2Fがお店になっているのかもしれない。(それとも、1Fをスナック「ふみ」と分け合っているのか?)
・生き残る建物
木造2階建ての古い建物を、自分のお店の商売繁盛のために、いきあたりばったり的に改造し、なんとか利用している風景は、日常どこにでもある標準的な風景となっている。ガチャガチャな街並みの多くはこれが原因となっている。今考えれば均整のとれた調和ある町並みだったのが、昭和モダン的看板文化が入ってきて、個人商店がなんやかんやファサードを自分勝手にいじりだした結果である。
街並み景観を考えると果たしてこれがアリなのか、ナシなのか、意見は別れるところであるが、人口減少の今となっては、空き家となるよりはどんな状態であろうとも、建物を使い続けるほうが良いように思う。建物本体がしっかりしていれば、また別の用途にも活用できる日が来るかもしれない。また、このように、ノイズを発する付属物も、ワンダー的視点で見れば、味のある風景として鑑賞することも可能だ。
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長崎県松浦市-04:昭和モダニズムRC集合住宅-再生A
長崎県松浦市-03:昭和モダニズムRC集合住宅
長崎県松浦市-02:「ARIGATO」
長崎県松浦市-01:「西肥バス・松浦ターミナル」