「続・山王R」08:塗装工事

12月 3rd, 2012

■ 山王マンション305号室、塗装工事が行われています。

前回ご紹介しました”電線管”も、曲面壁も、塗装していただきました。


↑ 電線管と曲面壁


↑ 電線管に意味をかぶせる


↑ 曲面壁が、”時間”を分割する


↑ もうすぐ完成します

”色”
もっとも難しい(恐ろしいといっても過言ではない)決断を迫られるのが”色”です。
実は、”白”で塗ってしまうのが一番、問題なく、失敗もなく、効果も計算できる、魔法の色なのです。
今では、よく見かけるようになったので、一般の方々も白い部屋に慣れ、違和感を感じなくなっていらっしゃるのではないでしょうか。
今回のテーマは、”白”で塗ってしまい物質化してしまうのではなく、”色”により、うつろいゆく”時”を表現したいと思いました。
はたして、みなさんには、これらの色はどのように感じられるでしょうか?12月15,16日の見学会で、じかに観て、感じてみてください。

 

 

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10-照明工事/カーテン工事
09-カーテンレール取付工事/エアコン工事
08-塗装工事
07-電線管
06-大工工事2
05-大工工事
04- 新設配管工事
03- 解体工事2
02- 現場見学
01- 解体工事1

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12月15,16日(土日)に以下のイベントを「山王マンション」で開催いたします。
続・山王R リノベーション完成見学会
エンジョイ、レトロビル!リノベーション文化祭
「リノベーションフォーラム」
「福岡ビンテージビルカレッジ」
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「続・山王R~NEW STANDARD RENOVATION~」:山王マンションリノベーションⅢ
場所:福岡県福岡市
山王マンション:築45年、RC6階建
元間取:3DK-48平米
所有:吉原住宅㈱
運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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「続・山王R」07:電線管工事

11月 21st, 2012

■ 山王マンション305号室、電線管設置工事が終わりました。

● 電線管アート(大げさですが)
今回のリノベーションでは、既存の天井を一部切り欠いて、コンクリートスラブを露出させます。そこに照明を取り付ける場合、露出で電線を照明取り付け部分まで持っていかなければなりません。その電線管(の経路)をデザインしています。
大げさにいえば”電線管アート”


↑ 電線管の経路を意図的にデザイン。ジョイント位置や、電線管の配置に意味をもたせています。電気工事の職人さんに無理を言って図面どおりに取付をおねがいしました。
これから塗装工事に移ります。


↑ 天井をつくらず、コンクリートスラブを露出させる場合、コンクリート内部に配線は不可能なので、電線は露出させるしかありません。
なるべく目立たないようにするデザインをしてきましたが、今回は積極的にデザインに意味をもたせ活用することにしています。
はたしてどうなるでしょうか?

● 塗装工事前


↑ 三角形のハコも塗装下地処理が終わり塗装を待つ段階になりました。
エアコン用の電線管が突き刺さっています。


曲面壁も塗装間近

 

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「続・山王R~NEW STANDARD RENOVATION~」:山王マンションリノベーションⅢ
場所:福岡県福岡市
山王マンション:築45年、RC6階建
元間取:3DK-48平米
所有:吉原住宅㈱
運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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「続・山王R」06:大工工事2

11月 16th, 2012

■ 山王マンション305号室、引き続き大工工事が進んでいます。

● 山王マンションでは、(当時のマンションではよくみられましたが)、バルコニーがありません。
そうなると、
1,洗濯物をバルコニーで干せない
2,エアコン室外機をバルコニーに置けない
といった問題がおこります。
このような状況なので、各部屋、エアコンを室内のどこにつけて、室外機をどこに置くのか、物干しスペースをどこに確保するのか、が大問題となります。

今回の305号室では、既に玄関ドア上部にエアコンスリーブの穴があけられていますので、そこを利用し、廊下に室外機を設置することにしました。エアコン室内機はこの部分に取り付けます。


↑ 下から見たところ。右側の壁にエアコンを取り付けます。中央壁から電線が出ています。

● フローリングは無垢材を利用しています。
2004年に山王マンションで最初のリノベーションをした時、賃貸物件で無垢のフローリングを使用し、次の更新時に問題がおきないかいろいろ議論しましたが、入居者が変わられた時の更新問題も特におこりませんでした。当初のイメージ通り、無垢材は味が出てきて良い感じになってきています。


↑ 無垢フローリング。

● 曲面の壁ができていました。


↑ 上:既存の天井がそのまま残っています。
下:既存の天井を撤去。魅力的な小幅板型枠の荒々しくも繊細なコンクリート打ち放しのスラブが現れました。
2つの領域の間(はざま)に、この曲面の壁があります。

● よく考えてみると、全てのものは時代の支配下に置かれていることがわかります。賃貸マンションにバルコニーがないのも、洗濯機置場がないのも、外壁のタイルが今ではないのも、サッシがスチールであるのも、コンクリートスラブの型枠が小幅板なのも、天井材がチープなのも、地袋があるのも・・・今では、作ることのできないものばかりです。建築材料や洗面器などの衛生陶器、デザインなども、その時代だから使用できたり、つくることができたものなのです。
昔の建物が古く感じる一つの理由は、この部屋のように、現在見慣れない材料、素材、製品、工法、デザインなどが使われていると違和感を感じ、時代が異なることがわかるからです。”いま”とは違う時代が305号室にはありました。44年という歴史が”いま”とは異なる時代表現を可能にしているわけです。

44年という時間の重みを表現することが、今回のデザインテーマとなっています。

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山王マンション:築45年、RC6階建
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所有:吉原住宅㈱
運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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「続・山王R」05:大工工事

11月 9th, 2012

■ 山王マンション305号室の配管工事が終わり、大工工事が進んでいます。

今回の大工さんの工事は、「曲面」 部分があるので大変です。
はたして施工できるのかどうか、現場監督の井田さんと話し合いが続きましたが、大工さんの腕がよく計画どおりに施工できています。


↑ 既存の天井を曲面にくり抜き、新しい曲面の壁を作っています。
問題点は、
1,天井を曲面にくり抜くことができるのか?
2,くり抜くことができたとして、新しい曲面の壁を取り付けできるのか?
いずれも、施工できています。


↑ 床の曲面
天井に続き、床も曲面加工しています。この上にフローリングが張られますが、フローリングも曲面加工します。

リノベーションでの施工精度の考え方は、新築時の施工精度とは異なる考え方がよいのではないかと思っています。
それは、施工精度の程度を、デザインとして表現するということです。
新築時では考えられませんが、リノベーションの場合、時には、わざわざ粗い仕事にしてもらう場合もあります。部分部分で見るとまずいように感じますが、全体の雰囲気を考えると、そこだけ精度を上げても調和しないような場面もあるからです。
リノベーションでは、施工精度を調整することは、手抜きではなく、表現を選択することです。

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設計:信濃設計研究所/nano Architects

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「続・山王R」04:新設配管工事

11月 5th, 2012

■ 山王マンション305号室の解体工事が終わり、新設配管工事が進んでいます。

賃貸マンションリノベーションにおいて設備配管工事は難しい工事です。

● 生活を支えるライフラインである配管は大きく分けると次の2つの部分に分けることができます。
A,室内の配管 → 部屋の中の配管
B,共用配管 → 「枝葉」である個々の部屋の配管が接続する「幹」となる配管
これらを評価する場合、A,Bそれぞれの個別の評価と、2つ合わせた複合的評価が必要です。

● 配管の種類としては
給水管、排水管、ガス管、電気、情報
などがあります。

● ポイントは
1,既存の配管状態の把握 → 既存配管を利用するのか?取り替えるのか?を判断
2,既存配管方式の把握
→ スラブ下抜き配管なのか?スラブ床上配管なのか?により、建物内の配管をどう変更するのか評価、検討
3,共用配管の状態の把握
→ 長期建物維持計画を策定した上で、配管ルート・配管自体を変更するのか?しないのか?などを検討

などです。

「山王マンション」においては、長期建物維持計画に基づき、大規模改修工事を済ませ、共用配管を室外に新設し、リノベーションした部屋は、スラブ床下配管から、スラブ床上配管へ変更した上で、新設共用排水竪管へ接続するようになっています。

それでは、具体的に配管工事をご紹介いたします。

■ 新設配管工事

↑ 既存配管がスラブ下抜き配管方式のため既存配管は封鎖、新設配管はスラブ床上配管に変更。
錆びた給水管も封鎖し、新たに給水管+給湯管を設置


↑ 新設排水管は、スラブ床上で外部廊下へ出します。
昔の建物では給水管はよく躯体(コンクリート)内に埋め込まれているのと、鋼管のため錆びてしまい管自体の寿命がきており、更新ができないので、新しい給水管+給湯管を設置します。

■ 外部廊下へ出てきた排水管と給水管+給湯管

↑ 外部廊下へ出てきた排水管は廊下のスラブを貫通させ下に抜きます。


↑ スラブ下に出てきた排水管を横に振り、大規模改修工事時に新設してある外部排水竪管に接続します。


↑ 大規模改修工事時に新設された共用排水竪管。リノベーションした部屋の新設排水管をこの竪管につなぎます。

以上、築40年を超える賃貸マンションにおける排水管の更新例でした。
A,室内の配管 と B,共用配管 の更新計画、更新工事を一体的に行うことが、建物を長期にわたり維持していくのには必要です。

 
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運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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「続・山王R」03:解体工事2

11月 1st, 2012

■ 山王マンション305号室の解体工事が進んでいます。

リノベーションにおいて解体工事は難しい工事です。

1,どこまで壊し、どこまで残すのかを細かく決め、指示、実行していただけなければならない。
2,コンクリート部分をハツル(壊す)ときには、天地を揺るがすような音が発生するので、住民の方々から必ずクレームが出る。
3,壊してみなければ、何が出てくるのかわからない。見えない部分が想定どおりになっているのかわからない。

などの問題が常につきまといます。

「山王マンション」においては、既に何室もリノベーションしていますので、見えない部分の構造もどうなっているのかわかっているし、住民の方々も慣れていらっしゃいますので、大きな問題はあまりおきません。

それでは、築40年を超える賃貸マンションの床下がどうなっているのか、こういった機会がないと見ることができませんので、ご紹介いたします。

■ 解体前の現況

↑:既存の状態です。築40年を超える賃貸マンションの多くは外観が近代建築であっても、室内はこのような和風です。山王マンションでは、横長連続窓に障子が付いています。床面には地袋収納があり、ここに座って外を眺めるようなつくりになっています。ということで、窓の高さは低めで、現建築基準法の床高さからH1100までに手すりという基準を満たしていないことが多いです。

■ 畳を取り外したところ

↑:畳をはぐと、ボードが敷いてあります。これは、パーティクルボードといいます。
畳の上を歩いてボコボコしたところの下のパーティクルボードは、このように割れていました。

■ パーティクルボードを取り外したところ

ほとんどの鉄筋コンクリート造(RC造)のマンションでは。コンクリートスラブ(床)の上に「大引(オオビキ)」と言われる木を敷き、その上に大引より小さい断面の「根太(ネダ)」を細かい間隔で敷きその上にパーティクルボード、そして、畳を敷く、という構成になっています。(この写真を見るとよく分かると思います)
 
 
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「続・山王R」02:現場見学

10月 21st, 2012

学生のみなさんと現場を見学しました。

リノベーションとは表面的な(=デザイン)おもしろさが話題になりますが、建物をあと何年保持していくのか?、保持できるのか?、どこに手を入れ、どこを残すのか?本当に借り手がつくのか?経営的に成り立つのか?という大問題を考えていくことが重要で、そういったことを解決することがリノベーションの大前提です。
40年以上を生き抜いてきた建物には、人生と同じように、それだけの歴史があります。リノベーションのデザインでは、それらを思いやりながら、どのように時間を超えて蘇らせることができるのかが、おもしろさの一つです。

 
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「続・山王R」01:解体工事1

10月 18th, 2012

■ 「続・山王R~NEW STANDARD RENOVATION~」 解体工事が始まりました。


↑ このマーク見たことあるでしょうか?時代を感じますね。ちょっとしたマークも時代表現であることがわかります。


↑ はたしてこの天井は残るのでしょうか?窓の障子は残るのでしょうか?


↑ 地袋です。この地袋はどうなるでしょうか?先ほどのマークは、地袋の上に置いてある洗面器に付いていたものです。
この洗面器の運命は。


↑ 収納のフスマ扉です。これはどうしましょう?


↑ 取り外されたキッチン、バランス釜、ポリ浴槽・・・これらは廃棄されます。

はたしてどのような部屋に生まれ変わるのでしょうか?
 
 
 
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