「山王マンション」から「冷泉荘」へ事務所を移転しました。

4月 9th, 2016

 

■ 4月21日(木)、事務所を  「冷泉荘 A-53」  へ移転致しました。

伝説のリノベーション賃貸マンション「山王マンション」(築50年弱)から、伝説のコンバージョンビル「冷泉荘」(築60年弱)へ・・・

今から十数年前、始まる前。
この二つの荒れ果てた建物と出会った時、まさかこの二つの荒れ果てた建物が、近代以降の文化を象徴し、これからの文化を牽引していく”ビンテージビル”として蘇生していくとは想像もできませんでした。

新築時。
この二つの建物がこの地に降り立った新築時。時代の最先端ライフスタイルを表現したい方々が住まう、耐震化、不燃化された、それからの都市型住居を象徴する集合住宅でした。

それから四十数年後の今世紀初頭。
驚くべきことに、メンテナンスが疎かにされた結果の荒れ果てた建物が、時代の大転換期、リフォーム文化からリノベーション文化への文化移行の結果、新しい時代であるリノベーション・コンバージョン文化を象徴するビンテージビルとして、再び時代の最先端へと躍り出たのです。

冷泉荘
「大衆主体の、なだらかな丘陵地にフラットで多様な価値が混在する、底の抜けた世界」を生で体感できる、これから主流となるであろうサブカルチャーの聖地

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信濃設計研究所 / nano Architects

812-0026  福岡市博多区上川端町9-35 冷泉荘 A-53

電話:092-409-0999 (以前と変わりません)
FAX:092-409-0995 (以前と変わりません)

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■ 2015 Architizer A+Awards Special Mention Honoree

3月 18th, 2015

 

■ 2015 Architizer A+Awards Special Mention Honoree

The Times Resuscitation Building has been selected as a Special Mention in the Architizer A+ Awards for the Typology Categories | Residential: Residential Interiors category.

昨年、山王マンション305リノベーション”時代移植”が、「アーキタイザー審査員賞|住宅インテリア部門」 を頂いたのに続き、
山王407リノベーション”時代蘇生”が、「アーキタイザーSpecial Mention(特別賞)|住宅インテリア部門」を受賞いたしました。

↓ アーキタイザーの山王407リノベーション”時代移植” The Times Resuscitation Building 紹介ページ
http://architizer.com/projects/the-times-resuscitation-building/

 

■ 山王マンション407リノベーション”時代蘇生” The Times Resuscitation Building

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● 山王マンション概要

1967年竣工の、黒光りするタイルをまとった近代ビル「山王マンション」は福岡市博多区、低層木造家屋密集地に出現しました。ステイタスシンボルとなる当時まだ珍しいエレベータや電話交換機室を備えた最新鋭の賃貸マンションだったのです。
時は過ぎ、築40年をこえ老朽化した山王マンションは、入居率低下、家賃低下、収益低下という負のスパイラルに陥り、古びた近代様式の外観と、薄汚れた障子に襖、畳敷きの内装は、誰しもが既に価値がないものと感じていました。しかし本当に老朽化した建物そして内装には価値がないのでしょうか?
(*日本では、建物の価値は、時間の経過とともに落ちてくのが常識になっている)

■Overview of Sanno Manshion

“Sanno Manshion”, completed in 1967, the modern building wears the shiny black tiles was appeared in Hakata-ward, Fukuoka, the built-up area of low-rise wooden houses.

It was the cutting-edge rental apartment with the telephone switchboard room and the elevator which was rare at that time.

The time had passed, Sanno apartment dilapidated beyond 40 years and it fell into a negative spiral of decreased occupancy rate, reduction of rent and declined revenue. Everyone had been feeling that it had no value with the aged modern style appearance and the dingy shoji, fusuma and tatami-mat flooring interior.
But, does the decrepit building and interior truly has no value?
(* In Japan, it is common belief that the value of the building falls with the time)

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■デザインコンセプト
“空間のパーソナリティ”とは何でしょうか?創作者の意図、その時代の表現などが反映した空間に宿る、生命力に似た、”意志”のようなもの、それがパーソナリティといってもよいかもしれません。山王マンション407号室はそのようなパーソナリティを感じる部屋でした。

“時代感覚”とは何でしょうか?時とともに移り変わる気まぐれな大衆文化が生み出す”流行”。新しさや古さを感じる理由の一つはそのためです。”時代感覚=流行”はそれだけで価値を生み出す力を持っており、”老朽化”とは別の次元で人々の心を動かすことができるのです。リノベーションとは、老朽化とは別次元の”時代感覚的価値”の創作といってもよいかもしれません。

■Design Concept

What is the “personality of space”?
I may say that it is the intention of the creator, something like ”will” which is similar to the life force inhabited in the space where reflects the expression of the era. The room 407 in Sanno apartment had the personality as such.

What is the “sense of the era”?
It is “trend” created by fickle public culture which come and go over the time. One of the reason we feel newness and oldness is because of that.
“Sense of the era = trend” itself has the power of creating value and it can move people’s hearts to the different dimention from dilapidation. I might be able to say that renovation is the creation of “ sense of the era-value” in another dimention from dilapidation.

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“パーソナリティ”は確かに存在しているが、時代の変化により”時代感覚的価値”が喪失しているこの部屋のデザインコンセプトは、”パーソナリティ”を受け継ぎながら、”今”、価値のある”時代感覚”を埋め込むことで、この部屋の命を”今”の時代に蘇生させること、それが時代蘇生の意味です。

まるで、機能不全に陥った患部を特殊機能装置に取り替えることにより、死の淵を漂う今にも消えそうな命を蘇生させる、サイボーグ手術のように・・・

The concept of this room where the “Personality” is surely present but “ sense of the era-value” has lost over time, is “resuscitation of the era”, which means to resuscitate the life of the room by implanting the valuable “sense of the era” in the “present” while inheriting the personarity.

It is like a cyborg surgery that resuscitate a life that drifting the brink of death by replacing the dysfunctional area to the special function device….

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■”この流木は、日本における老朽化した建物の象徴である”

築40年以上経過し老朽化した賃貸マンションがあります。時間が経過すればするほど価値が落ちていくこれまでの日本の常識では、このマンションの価値はほとんどありません。

海辺に打ち上げられた一つの流木があります。
この落ちている流木に何の価値があるのでしょう?

しかし、価値のないと思われたこの流木を部屋の中に設置してみると、「野生のデザイン」特有の存在感が部屋の雰囲気を支配し、流木が主役の部屋へと変貌しました。価値のないものと思われていた流木ですが、価値あるオブジェへと生まれ変わったのです。

価値のないものと思われていた「流木」が、価値あるオブジェへと生まれ変わったように、価値のないと思われた「山王マンション」も、リノベーションの力により蘇ることができるのです、たとえばこの部屋のように・・・

■”This driftwood is a symbol of the dilapidated building in Japan”

Aged more than 40 years, “Sanno- manshion” has almost no value as it falls in inverse proportion to the time passes in Japanese common sense.

Here is a driftwood.
Would you see any value?
However, when we installed it, the room was dramatically transfigured to the space dominated by the presence characteristic of “wild design” of this driftwood .

As the driftwood which has no value transformed into the valuable object, “Sanno-manshion” could also revive through the renovation.

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■ Special Mention : 特別賞受賞者

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Special Mention Resources:特別賞について
http://awards.architizer.com/special-mention-resources/

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詳しくはこちらをご覧ください。

■ 山王マンション407リノベーション: 「時代蘇生」 - The Times Resuscitation Building

■   山王マンション305リノベーション: 「時代移植」 - The Times Transplantation Building
2015:第27回福岡県美しいまちづくり建築賞 / 福岡県建築住宅センター理事長賞 受賞作品
2014:The Architizer A+ Awards 2014 / 審査員賞 受賞作品 (住宅インテリア部門)
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■ イギリスのウェブマガジン『dezeen』に「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

5月 14th, 2013

■ イギリスのウェブマガジン『dezeen』に「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

http://www.dezeen.com/2013/05/14/the-times-transplantation-building-by-nano-architects/

 

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション
プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

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■ アメリカのウェブマガジン『I Like Architecture』に「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

5月 10th, 2013

■アメリカのウェブマガジン『I Like Architecture』に「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

> I Like Architecture  : ” The Times Transplantation Building by nano Architects “

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション
プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

 

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■アメリカのウェブサイト『Architizer』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

5月 1st, 2013

■アメリカのウェブサイト『Architizer』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

The Times Trasplantation Building

About

■abstract
Sanno apartment was completed in 1967.Since 1967, this room has not been renovated.
This room has been renovated only after 45 years.
This room, which was completed in 1967, is a Japanese style.Resection of the part of the Japanese-style room, I transplanted the new style in 2012.Design concept is that the coexistence of two styles of different eras.My intention is to make the birth of the room with a new value.I believe that the use of Japanese-style room, which was completed in 1967, transplanted a new design, and can be given a new value in this room.

■The Times Trasplantation
Loss of value of the space left behind the times.
Cutting off a part of it and removed , trasplanted and compound a different times there.
There also seems to like a surgical operarion, but it is also like a plastic operation.
There are classified by 3parts of lifeline that is, first, “a drainage pipe, a service pipe, and a gas pipe” as vein, and “electric wire” as nerve, at last , that is “oil supply machines” as internal organs.
To displace the broken lifeline and transplant new items.

Space left behind the times in 1967.
Cutting an incision in the part of the interior that make up the surface like the skin.
The same way as the fresh air is brought through the open door, the world of 2012 is transplanted into the world of 1967.
It seemed as if value was lost in 1967 by remix of design effect that different times stand in line,  new values like a new story were produced.
Paralleling of the world of 1967 and 2012, different times and design are born as combination of different times of the space.

< 英訳:Natsuki Maki >

“ザ タイムズ” トランスプランテーション ―  “時代” 移植

取り残されたある時代の価値喪失空間。
その一部を切開、切除し、そこに異なる “時代” を移植し縫合する。
それはまるで外科手術のようであり、形成外科手術のようでもある。
血管ともいえる「給水管・排水管・ガス管」、神経ともいえる「電線」、
臓器ともいえる給湯器等の「住設機器」、傷んだこれらのもの を切除し新しい部材を移植、
基本的ライフラインの外科的更新。

時代から取り残された1967年の空間。
皮膚のように表層を構成する内装の一部を切開、切除する。
開いた扉から、新鮮な空気が入りこむように、2012年の世界が1967年の世界に入り込み移植される。
異なる時代が並列したデザインリミックス効果により、価値が喪失したように見えていた1967年空間が逆転し新しい物語=価値 が生み出される。
1967年の世界と2012年の世界、異なる時代・デザインが並列する、”時代様式並列空間”の誕生である。

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション
プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

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■アメリカのウェブサイト『ArchDaily』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。

4月 27th, 2013

■ アメリカのウェブサイト『ArchDaily』で「山王マンション305リノベーション」が紹介されました。
「Times Transplantation Building 」

http://www.archdaily.com/364962/times-transplantation-building-nano-architects/

 

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション
プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

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■国外のWebマガジン「designboom」に掲載させていただきました。

4月 17th, 2013

■世界中で最も人気のあるデザインWebマガジンといわれている(?)「designboom」に掲載させていただきました。

「the times transplantation building by nano architects」
http://www.designboom.com/architecture/the-times-transplantation/
以下、「designboom」の紹介文です。

an abandoned japanese building from 1967 has been revived by japanese nano architects using a ‘transplantation’ method.
the original structure has undergone a metaphorical surgical operation – preserving the nostalgic elements of the architecture.
the internal spatial fabric has been characterized by classifying three different sections within the plan, highlighting
rudimentary industrial features such as exposed pipes and oli supply systems.
the renovation restores the legacy of the
traditional japanese-styled quarters – providing a space that contrasts the early interior architecture of the late 1960s.

 

■山王マンションリノベーション305号室は、昨年の12月に完成しました。
『”ザ・タイムズ” トランスプランテーション the times transplantation  ― ”時代” 移植』、というテーマで、以下のことについて考え、デザインしております。

1,「価値」と「時間」を考えなおす
2,「時代」を移植する
3,「45年間」をデザインする
4,「ビンテージ的視点」の必要性
5,「設備配管」についての対応

詳しい内容は、当サイト内のこちらをご覧ください。
→山王マンション 305号室 リノベーション

プロジェクトメンバー

ビル所有:吉原住宅㈱
企画 / 運営:㈱スペースRデザイン
設計:信濃設計研究所/nano Architects
施工:シーズ・クリエイションズ㈱
写真:日髙 康智 (air studio)

概要

敷地住所:福岡県福岡市博多区博多駅南4-19-5
主要用途:1F・テナント / 2F〜6F賃貸マンション
主要構造:RC造6階建(1967年竣工)
延床面積:305号室 48平米
リノベ竣工:2012年12月

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「続・山王R」09:カーテンレール取付工事/エアコン工事

12月 18th, 2012

■ 山王マンション305号室、カーテンレールを取付工事、エアコン工事が行われました。


↑ 曲面壁の外側に、曲がるカーテンレールを取付


↑ 三角形部分に穴をけて、エアコンのホース(冷媒管+ドレン管)を入れ込んでいるところ


↑ エアコンのホース入れ込み。


↑ エアコン室内機を取付
昔の集合住宅では、バルコニーが無い物件も標準的にありました。プランもコの字型プランやロの字型プランの物件も多く、内側が公園だったりする場合も多々ありました。

「山王マンション」は、コの字型プランで、内側は現在駐車場として利用されています。
オフィスビルのような外観で、重厚感、威厳あるタイルの外壁に横長連続窓が付き、住居の用途とはわからないような外観です。反面、コの字型プランの内側に入ると、手摺に洗濯物が干してあるような、生活感丸出しの空間になっていました。

バルコニーが無いと困ることがあります。一つは洗濯物が外に干せないこと、もうひとつは、エアコン取付です。バルコニーに室外機が置けないために、上階は屋上に室外機を置いたり、下階は地面に(室外機を)置いたり、中間階は室外機が要らない窓付エアコンを取り付けたりしています。この部屋では、外廊下にエアコン室外機を置き、室内機を部屋の形状に合わせて方向を決めて、三角形部分にエアコンを取り付けました。

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10-照明工事/カーテン工事
09-カーテンレール取付工事/エアコン工事
08-塗装工事
07-電線管
06-大工工事2
05-大工工事
04- 新設配管工事
03- 解体工事2
02- 現場見学
01- 解体工事1

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「続・山王R~NEW STANDARD RENOVATION~」:山王マンションリノベーションⅢ
場所:福岡県福岡市
山王マンション:築45年、RC6階建
元間取:3DK-48平米
所有:吉原住宅㈱
運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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