■学生のみなさんとリノベーションルームを見学しました。

5月 12th, 2013

4月から専門学校に入学された1年生の皆さんと、「山王マンション」の8部屋、そして、「杉の宮マンション」の2部屋、「玉川ビル」の1部屋のリノベーションルームを見学させていただきました。


↑ 「山王マンション」の一部屋。
8室すべて方向性の異なるデザインなので、好みが異なる学生のみなさんのさりげない会話も大変参考になります。

■リノベーション現象とは
「自分が着たい服を着るように、自分が住みたいデザインの部屋に住む時代」となりました。「リノベーション」とはその要望に対応した文化現象です。服に様々なデザインがあるように、リノベーションデザインも多様性が出てきています。デザインの多様性は、現時点では、新築では対応していせん。なぜなら、「新築」というだけでプレミアムが付き=「新築プレミアム」、わざわざ個性的なデザインをする必要はないわけです。個性的なデザインの部屋に住みたい方は必然的にリノベーションルームを選択することになるわけです。

■学生のみなさんが見学する意味
自分が住む場合、自分がデザインする場合、自分がオーナだった場合、それぞれの立場で部屋に対する見え方が変わってきます。
デザインを学ぶということは、それぞれの立場、視点を考えることでもあります。見学会とは、ただ完成品を鑑賞するだけではなく、そのようなそれぞれの立場や視点を学ぶ場でもあるのではないかと思っています。

■ストック文化の必要性について
ストック時代をむかえている日本では、近代文明の中のストック文化を作っていかなければなりません。ストック文化とは、100年単位の営みの話にな りますので、世代を超えて伝えていかなければならい文化です。これからも、なるべく若い方々にこういった見学会を通して、ストック文化について考えてもら える機会を作っていこうと思っています。

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■スペースRデザインについて

今回見学させていただきましたリノベーションルームです。
玉川ビル  #702

杉の宮マンション #403
杉の宮マンション #405

山王マンション #206
山王マンション #302
山王マンション #305
山王マンション #309
山王マンション #401
山王マンション #502
山王マンション #508

玉川ビルについて
杉の宮マンションについて

山王マンションについて

■「山王マンション」リノベーションルーム

>>305号室 : ”時代”移植 ”ザ・タイムズ” トランスプランテーション
>>407号室 : ”時代”蘇生
>>603号室/402号室 :CQ
>>502号室 : ”古梁”

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「続・山王R」02:現場見学

10月 21st, 2012

学生のみなさんと現場を見学しました。

リノベーションとは表面的な(=デザイン)おもしろさが話題になりますが、建物をあと何年保持していくのか?、保持できるのか?、どこに手を入れ、どこを残すのか?本当に借り手がつくのか?経営的に成り立つのか?という大問題を考えていくことが重要で、そういったことを解決することがリノベーションの大前提です。
40年以上を生き抜いてきた建物には、人生と同じように、それだけの歴史があります。リノベーションのデザインでは、それらを思いやりながら、どのように時間を超えて蘇らせることができるのかが、おもしろさの一つです。

 
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10-照明工事/カーテン工事
09-カーテンレール取付工事/エアコン工事
08-塗装工事
07-電線管
06-大工工事2
05-大工工事
04- 新設配管工事
03- 解体工事2
02- 現場見学
01- 解体工事1

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「続・山王R~NEW STANDARD RENOVATION~」:山王マンションリノベーションⅢ
場所:福岡県福岡市
山王マンション:築45年、RC6階建
元間取:3DK-48平米
所有:吉原住宅㈱
運営:㈱スペースR デザイン
施工:シーズ・クリエイションズ㈱(Shii’s Creations)
設計:信濃設計研究所/nano Architects

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コーポラティブヴィレッジ春日原南町

3月 30th, 2012

■ 学生諸君とコーポラティブヴィレッジについて考えました。

コーポラティブヴィレッジは、複数家族が集まって、コミュニケーションを図りながら、いかに、個々の家族にとっても、全体の村=ヴィレッジの集合体としても良好な戸建住宅群を作っていくのか、というプロジェクトです。

共用エリアと個々の住戸エリアの関係性と、住戸間エリアの関係性など、全体と部分の関係性を現地を見ながら考えていきました。

2006年頃より始まったこのプロジェクト全体の把握のため、春日原南町にある既に建っている1期から4期までの街区をめぐり、それぞれ敷地形状、大きさ、周辺環境の違いによりどのように住宅群と共用部分を構成していったのかも考えていきました。

 

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建築見学

2月 12th, 2010

■ 福岡市内の住宅を見学させていただきました。

↑ 道路側外観:建物中央部飛び出しているのは2階リビングのバルコニー。
その右側には金属ルーバーが取り付き窓の目隠しとなっています。

↑ 2階リビング:中央部には3枚引き戸があり、大きな開口がとれ、バルコニーと連続した空間になります。
反対側にも同様にバルコニーがあり、東西方向に風の通り道となっていました。
左上に見える、大きなハイサイドライトは大変効果的で柔らかな光がリビングを包んでいました。

↑ 道路と反対側の庭から見た外観:道路側と同様に2階リビングに面するバルコニーがあります。
道路側と同様、金属ルーバーが取り付き、エアコン室外機や窓の目隠しとなっています。

↑ 設計者の谷口氏と、カメラマンの岡本氏が撮影場所など、綿密に打ち合わせしていました。
この日の撮影はうまくいったのでしょうか?

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建築見学 – 長崎01

11月 18th, 2009

■ 「J邸新築工事」に関連する事前調査のために長崎に行きました。

博多駅、午前9時発「かもめ」に乗り、午前11時、長崎駅到着。
JR長崎駅は終着点のため、線路が駅の奥でとぎれています。
あまりなれた風景ではないため、何か陸の果てに来た感じがします。
永遠に続くと思っていた線路の終点・・・その一つの駅が長崎駅でした。

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↑ 長崎駅は現代化をはたしていました。
「かもめ」を下りたときに、ホームの風情は昭和的な情緒感溢れるレトロ感覚でした。
しかし、改札をくぐるとそこには現代デザインのアーケードと建物が向かえてくれます。

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↑ 「長崎市立図書館」 現代化のもう一つの建物
エントランスホールに面して外壁はガラスのカーテンウォールになっています。
ガラスの外側にはFRPグレーチングのルーバーと共に壁面緑化されています。

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↑ エントランスホール
曇っていましたが、適度なボリュームの明るく気持ちの良い空間でした。
お昼に併設のカフェに入りましたが、人気のお店で行列ができていました。

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↑ エントランスホール内側から見ると、ガラスの向こうに植物が見えます。
向かい側の街並みを適度に遮ってくれます。グレーチングルーバーと共に日よけとしても
機能することがわかります。

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↑ この敷地は「長崎市立新興善小学校」の跡地でした。
校門の門柱も残されていました。
エントランスホールには、日本の歴史と共に終戦頃の小学校周辺写真も展示してあります。
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この後、長崎市役所、法務局、確認検査機関であるERIに行き、事前調査を行ってきました。

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↑ 長崎振興局へ行くために路面電車に乗りました。
ゆっくりした速度とガタガタいう音と揺れが路面電車の性格を表しています。運賃は120円均一でした。
自動車と路面電車、あまり仲がよいようには見えませんでした。
しかし、路面電車は環境型都市の移動手段として可能性のある乗り物です。
大きな時代の変化と小さな地域の変化、それほどうまくリンクして適切に移行していけるわけがありません。
今年は大転換の年となりました。これからどういう未来像を描いてゆくのか、日本全体の課題です。
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↑ 長崎駅に近い「日本二十六聖人殉教地」へ行きました。
20年以上前、学生時代に来た時以来の見学です。
20年という時を感じさせない綺麗な姿で維持管理されていました。

「日本二十六聖人記念館」及び「聖フィリッポ教会」は建築家「今井兼次」の数少ない作品の一つであり、
大変貴重な建築です。

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↑ 後ろは石積み風にデザインされていました。
これはメッセージを盛り込んだ壁画となっています。

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↑ 維持管理が行き届いているため、力強く綺麗な姿を保っています。

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091117-15 ←彫塑的な柱、手の後が残る、大地から盛り上がってきたようです

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↑ 細かい装飾がちりばめられ、独特の雰囲気を醸し出しています

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↑ 「聖フィリッポ教会」 この2つの塔を本で見たとき、必ず見学したい建物の一つとなりました。

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↑ 実務で経験を積んだいま、改めて「今井兼次」の建築にかける思いが伝わってきます。

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↑ 「NHK長崎」 昭和モダンの名建築がリノベーションされ、生まれ変わり利用され続けています。

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↑ 時代を感じる鉄塔 ロゴが当時のままでいいね。
このまま使い続けて欲しい鉄塔

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↑ 長崎駅の「かもめ」 すばらしいデザイン。
JR九州の数々のすばらしい列車のデザインはまた別の機会に・・・。

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建築見学 – 大分01

10月 17th, 2009

■大分の建築を見学してきました。

□ 「大分県立図書館」

知の殿堂である図書館にふさわしい気品溢れる建築です。
移ろいゆく青空の中に毅然として配置された大きさの異なる正方形は、人間が造り上げた知の体系を表現しているようです。

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↑ エントランスホール外観。 中に入ってみましょう。
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↑ 立方体の天蓋は球面でした。隙間から射し込む光は、無機質なコンクリートを浸食、刻々と変化しています。
知の体系は自然と共にあることを教えてくれます。
トップライトのジグザグの梁が効果的に陰影を描いています。

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↑↓エントランスホールの外観と内観。表裏一体となったデザインとなっています。
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↑ コンクリートの型枠、型枠を支えるセパレータ、打ち継ぎ目地、ガラスブロック開口
全て正方形の相似形で構成。

「大分県立図書館」
竣工―1995年
設計―磯崎新アトリエ

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□ 「アートプラザ」 (旧大分県立図書館)

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↑ 旧県立図書館 アートプラザとして使い続けられています。
現在、既に日本はビルストック時代を迎えています。
「大規模改修+リノベーション」により建物をできるだけ使い続けることが求められます。

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↑ 彫刻のような力強い柱。
シリンダー梁を支える、柱基、柱身、柱頭、均衡のとれたバランスが力強く美しい。
ディティールも見逃せません。

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↑ スロープは想像以上に有用性があります。
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時代を象徴する力強さ。エネルギー溢れる彫塑的構成。
新大分県立図書館と比較すると、時代の変遷が感じられ、興味深いです。

「アートプラザ(旧大分県立図書館)」
竣工―1966年
設計―磯崎新アトリエ

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□ 中津市 「風の丘葬斎場」+「相原山首遺跡」

「風の丘葬斎場」は「相原山首遺跡」と一体となった施設でした。
太古の昔から死に関わる場所だったようです。

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↑ コンクリートの柱とガラスの帯が織りなす影。
ガラスには木々が映り、影は透きとおる。不確かな存在。
それに対し、コンクリートの柱の影の濃さは、確かな存在を証明しているようです。

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↑ 水盤に反射して延びる光線。水の動きで揺らめいています。
落日まぎわのみにあらわれる光の芸術。

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↑ 多様な光が降り注ぐ空間。

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象徴的な独立柱。コンクリートであるが繊細。
天窓により柱全てが光に包まれる。
アートプラザの柱とは対照的。同じ素材でも意味も表情もこれほど変わります。

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↑ 古代の古墳群と現代の葬斎場が並立している。
古代から現代まで、時間と空間を連結させるランドスケープ。
この意味・役割は大きい。歴史と日常が融合する景観。

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「風の丘葬斎場」
竣工―1997年
設計―槇総合計画事務所

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