「あきよし医院」-リノベーション工事Ⅲ-05-照明計画

2月 3rd, 2011

■ 「あきよし医院」リノベーション:2F廊下照明計画です。

照明デザインは、空間の質を大きく変えてしまう重要なデザイン要素の一つです。

■リノベーション前の状況

↓ リノベーション前の廊下です。

照明器具は、一般的な施設に設置されている、20Wの蛍光灯が2本むき出しの天井埋込照明でした。
長い廊下に5ヶ所設置されている状態で、照明器具の間隔が離れているため照度を測定してみると、
90lx~30lxとなっており、照度の差が結構出ています。また、蛍光灯の色を色温度といいますが、
白っぽい色の蛍光灯のため、事務所のような寒々しい雰囲気になっています。


↑ 照明器具・避難誘導灯・非常用照明・煙感知器
今回は、煙感知器以外の、照明器具・避難誘導灯・非常用照明を変更します。
避難誘導灯は、消防署に変更内容を審査していただき、了承を得た後に施工し、完成後消防検査を受けます。
写真にある避難誘導灯は年代物です。味はありますが、現在ではLEDが使用されていることもあり大きさも小さく、
デザインにも配慮された器具に変更します。

■照明計画

新しく照明デザインをするに当たり、いくつもの案を考えました。
1,天井直付照明案:丸型ガラスカバー(蛍光灯)
2,カバー付きシームレス蛍光灯案
3,LEDダウンライト案
など

←天井直付照明:丸型ガラスカバー

いろいろ検討した結果。LEDダウンライト案になりました。
LEDダウンライトは、寿命が長いため、球替えが10年以上必要なく、消費電力が少ないという特徴がありますが、
器具の価格が高い、光源がむき出しのため、まぶしすぎる(グレア)、断熱施工型がないなどの弱点がありました。
しかし、年々急速に改善され、器具の価格が下がり、光源が深型になり、カバーも付けられ、配光もグレアも
白熱灯タイプのダウンライトと近いものになってきました。断熱施工でしかも白熱灯換算100Wタイプも出てきました。
そこで、今回は小泉照明の白熱灯換算100Wタイプ、色は電球色、断熱施工型のダウンライトを採用することにしました。

ダウンライトの取り付け位置ですが、なるべく壁面を照らしたほうが部屋全体が明るく感じるため、壁面から
400~500mm離して取り付けようと考えました。
そこで、ダウンライトの明かりが壁面からの距離でどのように
変化するのかを小泉照明のショールームで実験してみました。


↑壁面からダウンライトの距離を変えて、明かりがどのようになるのかを実験。

■リノベーション後


リノベーション後の廊下です。
LEDダウンライトが取り付けられました。全体照度、グレア、壁面のライトの当たり方、
シュミレーション通りのイメージに仕上がりました。


↑ 長い廊下に連なるLEDダウンライト。病室ドアにあわせ等間隔に取り付けられました。
以前の光源むき出しのLEDダウンライトと比べ、深型でグレアカットされているために
眩しさが低減されています。天井裏に断熱材が施工されていたのですが、断熱施工型
があったので、そのまま取り付けることだできました。
色も電球色にしましたので、リノベーション前の白々しい感じではなく、温かみのある
雰囲気になりました。


↑ 交換した避難誘導灯。矢印だけのものが通路誘導灯。LDEにより、小型でメンテナンスが容易な機種が出ています。
以前の大型の誘導灯に比べ大きさが小さくなりデザイン性もよいのでスッキリした空間になりました。
 
>>完成までのストーリー
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LEDダウンライト:小泉照明:LED6球(15.3W)(100Wクラス)電球色
天井・壁を塗装
巾木は背の高いH=300のソフト巾木
ドアを半自動上吊り引戸に変更
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>>11 – サイン完成
>>10 – 特別室リノベ04
>>09 – 特別室リノベ03
>>08 – 特別室リノベ02
>>07 – 特別室リノベ01
>>06 – サイン計画
>>05 – 照明計画
>>04 – 廊下壁塗装検討
>>03 – 上吊り引き戸検討-2
>>02 – 上吊り引き戸検討-1
>>01 – デザイン開始・概要

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「あきよし医院」リノベーションⅢ
場所:福岡県太宰府観世音寺
構造:RC造3階建て
築年数:約30年
工事:㈱マベック
デザイン:信濃設計研究所

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